研究コラム

Vol.1変化するのは遺伝子発現―遺伝子と遺伝子発現とは―その①

身体は「細胞」でできている 
私たち人間の身体は、40,000,000,000,000(40兆)個ほどの小さな「細胞」が集まってできています。 脳の細胞、心臓の細胞、肝臓の細胞、肌の細胞などなど、膨大な数の多種類の細胞が お互いにコミュニケーションを取りながら、それぞれの役割を分担しています。 個々の細胞の働きが正常で、コミュニケーションもうまく取れて生物としての調和がとれた状態が「健康」と言えます。

 

一生ものの「遺伝子DNA」が細胞・身体の生命を成り立たせている
細胞の中で細胞自身の働きを担い、また細胞どうしのコミュニケーションを担っているメインプレイヤーは、様々な特徴や機能を持った数千種類のタンパク質です。 これらのタンパク質の設計図*1として全ての細胞に格納されているのが、ご両親から半分ずつコピーを受け継いだ「遺伝子DNA」です。 遺伝子DNAに記録されている情報をもとに作られたタンパク質が、私たちの身体を形づくる細胞を保っているのですから、私たちの生命は遺伝子DNAの働きによって成り立っていると言えます。遺伝子DNAは、40兆個の細胞に全て同じコピーが格納されていて、一生涯変化することはありません。*2

病気や体調不良は、「遺伝子DNA」のせい? 
遺伝子の働きに不調があって、細胞の調子や細胞どうしのコミュニケーションに不具合がある場合は、そのトラブルの種類によって様々な病気や体調不良となって身体に現れてきます。 こういった病気などを原因から解決するためには、遺伝子を変えること が必要なのでしょうか?必ずしもそうとは言えません。(次回につづく)

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